北斗七星

北斗七星 2009年2月2日付 Vol.1270

2009/02/02 15:38

週刊BCN 2009年02月02日vol.1270掲載

▼埼玉県で栽培されている「借金なし」という名の大豆が話題に。折しも、「節分」の豆まき用の縁起物として売り出し中だ。県農林総合研究センターが実施した豆腐・豆乳用の「官能評価」で「おいしさ」を最も感じる品評。味も申し分なし。不況の真っ只中、「鬼」に化けてこの豆をふんだんに浴びたい気分だ。

▼「IT投資は、いつ復活するか」──。藁をもつかむ気持ちでITアナリストに問いかける。ある調査会社の担当者曰く「2010年には」と。「コンプライアンスやセキュリティ関連の需要は持続」は、このところ耳にタコの回答だ。「世界展開する日本企業はサプライチェーンマネジメント(SCM)システムを国内に統合する動きあり」と、大手粧業品メーカーの動きを例に解説してくれた。

▼電機大手の東芝。東京本社の基幹システムはオラクルで、ドイツ支社ではSAPが稼働している。ハブの支社で基幹を動かせば膨大な〝箱〟を建てる必要がある。世界中に点在したSCMなどのシステムを仮想化などで統合。そうすれば莫大なIT運用費が軽減することになる。

▼不景気の最中、こうした作業でコスト削減を図る動きが活発化することは確か。世界的な大手企業が「国内回帰」となれば散らばっていたIT需要が日本に戻り、2次請け、3次請けの仕事も出回るだろう。それまでに、中小ITベンダーは「借金なし」とまではいかないが「資金繰り」をつけておきたい。次の「節分」まで生き残り、やがてやってくる需要をつかむために。
  • 1