BOOK REVIEW

<BOOK REVIEW>『SEがはじめて学ぶ在庫管理』

2009/09/25 15:27

週刊BCN 2009年09月21日vol.1301掲載

業務知識とシステム作りがすべてわかる

 「在庫管理」の本といえば、「実地棚卸の方法」とか「現品管理の手法」といった倉庫業務に関連する内容を思い浮かべることが多い。書店にもこの類いの書籍が数多く並んでいる。

 今回取り上げる一冊は、在庫管理システムの構築に携わるシステムエンジニア(SE)向けに解説されているところに特色がある。顧客企業のニーズを把握して、最適なシステムを構築するのが、SEの役割である。とはいえ、顧客の要請に振り回されて、結果として使い勝手の悪いシステムが出来上がってしまうケースもままある。

 こうした事態を引き起こさないためには、SE自身が「在庫管理」についての知識で武装しなければならない。本書では、「在庫とはそもそも何か」「在庫はなぜ必要か」「在庫を削減する理由とは?」といった基礎から解きほぐし、「最適在庫の実現」「販売管理システム、生産管理システム、購買管理システム、会計システム、原価管理システムとの連携」など、専門分野にステップアップしていく。

 


 著者は、経営とITに関わるコンサルティングファーム。中堅・中小企業がERPを適正な費用・期間で導入し、経営改革することを支援する「ITC-ERP研究会」を母体とする。なお、シリーズとして「SEがはじめて学ぶ会計」(既刊)もある。(止水)

『SEがはじめて学ぶ在庫管理』
ITC総合研究所著 日本実業出版社刊(2300円+税)

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