▼ジャストシステムの浮川和宣・初子夫妻が役員を退任した。このニュースを報じた「BCN Bizline」は大量のアクセスを集めた。1979年に創業し、二人三脚で発展させてきた。“地方発”で“全国区”に上り詰め、「独立系ソフトベンダーの雄」として名を馳せた。しかし、キーエンスとの資本提携まで機に勢いを失っていった。

▼同社の本社は徳島市にある。ここには「ジャスト村」ともいえる「IT集積地」が形成されている。近隣の受託ソフト開発ベンダーがソフト開発の下請けを担い、同社で育った技術者をIT人材として市内に輩出していた。産業力の乏しい徳島市にとっては欠かせない存在である。

▼Windowsが普及する以前、和宣氏は「ソフトメーカーはウィンドウシステムをもつべき」と主張。同社の「ジャストウィンドウ」は、MS/DOS環境で広く使われ、“全国区”の足がかりをつかんだが、Windowsの登場で、苦戦を強いられた。また、新機軸のXML基盤「xfy」を開発し、この事実だけで株価を急上昇させたこともあった。

▼常にソフト業界をリードしてきたジャストシステム。あくなき挑戦が徒となった。毎年度の赤字にもかかわらず、開発投資を止めない。最近では、内部から「浮川批判」が出るほど求心力を失っていた。現製品群には「これから」のソフトが多数ある。情報検索ソフト「Concept Base」はエンタープライズサーチの走りだ。開発投資と需要バランスの読みを誤ると、高い技術力も生きてこない。