BOOK REVIEW

<BOOK REVIEW>『Twitter革命』

2009/12/03 15:27

週刊BCN 2009年11月30日vol.1311掲載

 人の“つぶやき”を覗いて、いったい何が面白いのだろう。「140字のミニブログ」といわれる、Twitter(ツイッター=つぶやき)が話題になった頃からずっとそう思っていた。だが、利用者が世界で5800万人に達していると聞けば、知らぬふりをするわけにはいかない。

 ツイッターが世に知られるようになったのは、かのバラク・オバマ大統領が民主党候補だった時にこれを駆使して若い世代にアプローチしたのがきっかけといわれる。しかし、ブレークポイントとなったのは2009年1月15日に起きた「ハドソン川の奇跡」だったと、この本の著者は述べている。飛行機事故の目撃者が乗客の救出シーンをiPhoneで写し、ツイッターで発信したのが最初のニュースだったというのだ。その伝播のスピードが、ブログとかSNSに比べて格段に速いところにツイッターの特色がある。

 興味深いのは、ビジネスに使え、しかも大きな威力を発揮するということだ。IT業界でいえば、米デル社が熱心らしい。デルアウトレットでは130万人のフォロワー(閲覧者であり情報発信者)を抱え、ツイッターを通じた売り上げが300万ドル(約3億円)に達しているという。ツイッターを介しての顧客との対話が、こうした成果を生んでいるのだ。

 この本に触発されて、有名人のそれを覗いてみた。だが、仲間内で書かれているようで、内容がよく分からない。公園デビューしたてのヤングママも、きっとこんな気分だろうな。(止水)

『Twitter革命』
神田敏晶著 ソフトバンク新書(730円+税)
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