深刻な話です。よく聞く話ですが、IT業界には、うつ病者の占める割合が他の産業に比べて多いのです。「下請け」の受託ソフトウェア会社に取材すると、常にプレッシャーを感じながら、納期と品質管理に追われ、ものすごいストレスを抱えているといいます。プロジェクト・マネージャーが脳梗塞で倒れた、あるいは自社ビルから飛び降り自殺した、ということを明かし、私の前で涙を流す経営者もいました。
NPO法人のFDAによれば、うつ病を抱え、病に臥したまま社会復帰できないIT業界の方々も、多くいるそうです。ほとんどのベンダーは、こうした方々のケアができないばかりか、復帰させるためのプログラムもありません。こうしたケア活動も、他の産業界に比べて遅れているのです。
10月17日、神奈川県川崎市で「第1回 NIPPON IT チャリティ駅伝」が開かれます。出場者はほとんどがIT業界の方々です。BCNも後援しています。出走しなくても、観戦して、この問題を考える日にしてほしいと願っています。(谷畑良胤)
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<特別企画>皆で走って、IT業界の「悩み」解決 FDAがチャリティ駅伝を開催 10月17日、多摩川のコースメールマガジン「Daily BCN Bizline 2010.10.4」より