〈一般的な解釈は…〉データやアプリケーションを端末に置かず、サーバー側で管理するシステム、またはクライアント端末のこと。

 英語の「シン(thin)」(=薄い、細い、少ない)と「クライアント(client)」(顧客。IT用語では、ユーザーが使うコンピュータ端末)の組み合わせ。「シン」とは、ユーザーが使うパソコンの機能を必要最低限のものに絞ることを意味する。

 シンクライアントのシステムでは、ユーザー端末にネットワーク接続や入力/表示などの基本機能だけを盛り込み、OS(基本ソフト)やアプリケーション(応用ソフト)、データファイルなどをサーバー側で一括管理する。図書館で蔵書の検索のために使うパソコンが、シンクライアント端末の一例となる。

 シンクライアントシステムでは、ハイスペックで高価なパソコンを使用しなくてもいいので、ユーザー端末の導入コストを低額で済ませることができる。また、ソフトウェアのインストールやアップグレードなど、運用・管理コストも抑えることができ、IT費用全般の削減につながる。ただし、システムの構築には高度な技術が求められるし、構築費用も高額となる。

 シンクライアントシステムには、デスクトップの仮想化を実現する「仮想デスクトップ型」やデスクトップをサービス化させる「DaaS型」など、複数の方式がある。

 運用コストを大幅に削減できることから、社員用パソコンの数が多い大手企業を中心に、さまざまな企業がシンクライアントシステムを導入している。不景気の影響で企業がITコストを見直したことを受け、2009年後半以降、シンクライアント市場が大きな伸びをみせている。

 ちなみに、シンクライアントとは逆に、データやアプリケーションをクライアント端末で管理するシステム/端末には「ファット(fat=豊富な)クライアント」という用語が使われる。