〈一般的な解釈は…〉地方自治体の情報システムをデータセンターに集約し、市町村がそれを共同で利用できる環境。

 自治体クラウドとは、地方自治体の情報システムをデータセンター(DC)に移し、複数の市町村がシステムを共同で使うことができる環境、またはその環境をつくる取り組みを指す。総務省は、サーバーなどITシステム構築に必要な機器をDCに置いて、ネットワークを介して共同利用を可能にするクラウドコンピューティングを地方自治体に普及させる動きとして、2009年から「自治体クラウド」の言葉を使って開発実証事業を推進している。

 自治体クラウドでは、自治体の情報システムを集約した都道府県のDCを、広域の総合行政ネットワークを介して相互接続する。相互接続したDCをアプリケーション事業者のサービスと組み合わせることによって、基礎台帳や税務、保険などの基幹システムをクラウド上で共同利用できるようにする。自治体クラウドは、各自治体がサーバーなどのIT機器を所有するのではなく、共同で利用するので、厳しい財政状況に直面している自治体にとって、多額のコストをかけずにITインフラを構築することができるという利点がある。

 総務省は、2000年前後に始まった自治体の業務を電子化するプロジェクト「電子自治体」の一環として、自治体クラウドの普及に力を入れている。現在、北海道・京都府・佐賀県・大分県・宮崎県・徳島県の6道府県78市町村で、DC間接続やアプリケーション接続についての実証を行っているところだ。ITベンダーは、全国市町村の数がおよそ1700と、大きな市場があるとみており、1年ほど前から自治体クラウド事業に参入する企業が増えつつある。大手だけでなく、中小ベンダーが集まる連合体「行政クラウド・モール」がサービスを開始するなど、地域の中堅・中小ベンダーも市場開拓に取り組んでいる。