給与管理システムは、製品そのもので差異化しにくい商品です。年商500億円未満の中堅・中小企業(SMB)市場でのトップシェアはオービックビジネスコンサルタントで、弥生が僅差で追う展開。3位以下は、ほとんど差がありません。
とくに留意しておかなければならないのは、中堅上位企業にみられる給与業務をアウトソースする動きと、タレントマネジメントシステムの導入機運の盛り上がりです。
調査会社のノークリサーチは、「パッケージへの遷移は一段落した状態。ユーザー企業が外部委託による運用・管理コストの削減を図る動きがみられる」と指摘しています。こうしたなかで、中堅企業を中心にビジネスプロセスアウトソーシング(BPO)サービスを手がけるベンダーであるラクラスが、存在感を増しています。今後もこうした傾向は続くと考えられます。
タレントマネジメントシステムについては、グローバル企業を中心に導入事例が増えており、サクセスファクターズジャパンをはじめとする外資系ベンダーが国内で急成長しています。給与管理や就業管理に関して、国内ベンダーとの協業を模索する動きがあり、SIerにとっては提案の幅が広がるチャンスになりそうです。(信澤健太)
【記事はこちら】
<Industry Chart 業界の今を俯瞰する>給与管理システム市場 製品自体の差異化に難しさ 注目は運用形態や関連システムの動向メールマガジン「Daily BCN Bizline 2011.12.6」より