北斗七星

北斗七星 2012年2月20日付 Vol.1420

2012/02/23 15:38

週刊BCN 2012年02月20日vol.1420掲載

▼何とも暗い決算見通しが続いている。経営者のなかには「日経新聞の1面は破いて捨てろ」という捨て鉢な人もいるようだ。製造業の今年3月期の決算は経済津波に襲われた状況だ。立て直しはどうするのか。表層的なダメージから構造的な破壊にまで至るのではないかと、絶望感すら覚える。なぜこれほどまでに壊滅したのか、明日はどうなるのか。

▼膨れ上がる不安をいったん収めて、日本経済新聞社が昨年12月20日時点でまとめた冬の賞与をみると、主要105社の税込み支給額は80万500円で、08年以来3年ぶりに80万円台に乗せた。電機は16.08%増。ソニーは18.42%増の97万 7000円で支給額3位だった。主力のエレクトロニクス事業の業績が、11年3月期に黒字転換したことを反映したものとみられる。

▼これはつい3か月前の状況だ。この短い期間に起きたあまりにも大きな差が気になる。先を見通した経営の舵取り以前に、常に対峙している日常の事業運営にも疑問を感じる。しかし、背骨が折れて、なお動こうとする組織の強さにも不気味なほどの力強い生命力を感じる。前に向かって進もう。世界は広い。(直)
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