「排水量20万tくらいの商船はどうですかね」「サハラ砂漠の土地っていくらくらいなんでしょう」「いっそのこと、分散させたら効率はどうでしょうか?」何の話かといえば、新型データセンター(DC)を設計するときに、野村総合研究所(NRI)のなかで実際に議論された内容だそうです。
海洋国家で地震国という日本の地理的特性を考えれば、石油タンカーのような超大型船にDCを詰めば、地震におびえる必要はなくなりますし、自然エネルギーの活用や都市全体のスマート化につながります。実際、米国では日本に先駆けてコンテナ型DCが実用化されました。
NRIでDC設計を担当するDCマネジメント部の一級建築士、藤井裕久グループマネージャーは、「海外の成功事例をそのままもってくるだけでは芸がなさ過ぎる。日本ならではのイノベーションを加えないと意味がない」と、誰もやったことのない斬新な取り組みが、今の日本の情報サービス業界に求められていると話します。
確かにNRIのDCは、新しくなればなるほど、斬新な設計思想を貪欲に採り入れているのですが、タンカーに載せようとまで考えていたとは驚きです。(安藤章司)
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野村総合研究所(NRI)、関西地区に最新鋭DCの建設を検討メールマガジン「Daily BCN Bizline 2012.12.6」より