日本の農業は、厳しい局面を迎えています。農林水産省によると、2011年の国内総産出額は8兆2463億円。1984年の11兆7171億円をピークに、徐々に生産額を落としています。就農人口も、ピーク時の約5分の1まで減っています。
厳しい現状ですが、新たに農業を始める人は、決して減っているわけではありません。2011年の新規就農者は5万8120人で、前年から3550人増加。熱い思いをもった人たちが、日本の農業を支えようとしているのです。
こうした農家を支援するため、近年では農業支援システムを提供するITベンダーが出てきています。例えば、千葉県でシステム開発を手がけるイーエスケイは、堀明人ITコーディネータ(ITC)と協力して、農家の作業記録を管理するアプリケーション「畑らく日記」を開発しました。
作業記録をほかのユーザーと共有する機能を搭載していますが、これは堀ITCの発案によるもの。実は堀ITCは、09年に果樹栽培を始めた新規就農者でもあり、この機能は農業に本気で取り組んできた経験から着想を得たそうです。こうしたITベンダーと農家が、協力して農業の再生に向けて取り組んでいく姿には、心を打たれます。(真鍋武)
【記事はこちら】
<IT経営の真髄 ITCの支援で企業はこう変わる!>120.イーエスケイ(下) 農家の生産管理を支援メールマガジン「Daily BCN Bizline 2013.3.29」より