▼憶測にすぎないが、「ネット選挙」は先の衆院選ですでに始まっていた。自民党候補者はSNSを巧みに使った印象がある。住民30万人の某都市には、2年前から1500人規模を誇るFacebookのコミュニティが存在する。ここに候補者が、辻立ちから日常生活までを書き込む。参加者は無意識のうちに親近感をもつ。

▼政治家を検索すると、自民党候補者は、めざとくこれらのコミュニティに参加していた。しかも、民主党候補者よりも出足が早い。コミュニティは日常的にオフ会を開くが、そこにも頻繁に候補者の顔があった。地域の祭りなら、政治家が前面に出て挨拶するのが常だ。だが、コミュニティではむしろ下座に座り、目立たない。逆に、これが好感を呼ぶ。オフ会の様子が参加者のSNSの書き込みで拡散する。ここに普段は拝めない候補者の素顔が映っている。選挙戦に入り、つぶやきは選挙違反になるので途絶えたが、結果はSNSを積極的に活用した人の勝ちだった。

▼「ネット選挙解禁」というからややこしい。正確には「選挙運動」だ。投票までネットで実現すれば、投票所のポスターで判断していた人は、SNSを見て投票するだろう。政治家は、ここまで見据えて策を練ってはどうか。(吾)