BOOK REVIEW

<BOOK REVIEW>『図解 ビッグデータ早わかり』

2013/05/09 15:27

週刊BCN 2013年04月29日vol.1479掲載

 インターネットのなかを駆け巡る大量の情報。世界中の個人と集団が毎日生み出す膨大な量のデータのうちの8割は、メールや画像、動画、検索履歴など、非構造化データと呼ばれるものだ。これまでその価値は認められていたものの、データベース化や分析には向かないデータとして、利用はほんの一部にとどまってきた。しかし、技術が時代に追いついたいま、このビッグデータ=宝の山の活用が始まっている。

 本書の最大の特徴は、ビッグデータを理論ではなく活用の現場から追いかけていること。どのような場面で使われているか、使われる可能性があるかを、独自の取材力とフットワークで集めた豊富な事例で紹介していくことで、かたちのない「ビッグデータ」の姿を具体的な事象として浮かび上がらせている。ビッグデータを収集するためのテクノロジとそれを提供する企業、集めたビッグデータをビジネスに生かす企業、それによって変わっていく社会と生活を豊富な図版でわかりやすく見せる。

 ビッグデータはマーケティングを変える。理論と経験によって担保されてきた「集団の代表性」は、もはや議論の対象にならない。目の前にあるすべての数を扱うことで、より信頼度の高い、直接行動に結びつくデータを得ることができる。そしてマーケティングが変われば、企業の活動が変わる。それは、わたしたちの生活が変わるということだ。IT業界人にビッグデータを知らない人はいないだろうが、あらためてビッグデータの可能性をみるのに適した一冊。もちろん、新入社員は必読といっていい。(叢虎)


『図解 ビッグデータ早わかり』
大河原 克行 著
中経出版 刊(1500円+税)
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