【内神田発】前回、加藤彰さんとの山登りの顛末を書いたところ、多くの方から「加藤さん、お元気そうですね」と懐かしげに声をかけていただいた。加藤さんからも、Facebookで「次回は伯耆大山ですよね」と念押しの約束をいただいた。加藤さんにとっての伯耆大山は、おらが庭の山という雰囲気だった。大山は日本海からの風に吹かれて尾根が風化している。「あの尾根は今は通れませんよ。危険です。僕たちも通りません」といった調子だ。これが徐々に話が弾んでくると、もうお国自慢そのもので楽しかった。

▼伯耆の国は出雲と隣り合わせで、一帯は『古事記』にみる神話の宝庫。いわれのある神社があちこちにある。昨年末、出雲にある富士通のパソコン工場と松江高専の橋本剛先生を訪ねた折、10人ほどの方とお会いした。皆さんから、出雲のプライドをプンプン感じた。松江高専は、市内から少し離れたところにある。その近くの佐太神社を訪ねた。

▼佐太神社には、神在祭という少し変わったお祭りがある。10月は日本全国「神無月」だが、この地では「神在月」。変だなぁ~。佐太神社には、神無月になると全国の神社から神様が集まってくる。だから神在月なのだ。それも、国つ神だけが集まるとか、諏訪大社のご祭神は出雲大社系だからここは神在月だとか、話題は尽きない。神様も秋の行楽かと思うと、人間臭くて親しみを覚える。

▼佐太神社で当業界の発展を祈願して、待たせてあったタクシーで市内に戻る。その車中で、ドライバーさんが話しかけてきた。「あなたたちはどこの人」「東京です」「東京ですか、来年は出雲大社の遷宮があるんですよ。またおいでください」。そして「遷宮は、今年は伊勢神宮でもあるんですがね」とドライバーさんは続けた。「出雲の遷宮は60年ごとで費用は80億円だけど、伊勢は20年で1200億円もかかるんです」。贅沢でしょ、というわけだ。伊勢神宮派の私は一瞬ムッとしながらも、その15倍の数字を鵜呑みにしてしまった。

▼昨年、神社検定というのが始まった。受験することにして、6月2日の試験日に合わせて一夜漬けならぬ1か月漬けの勉強をした。まだ結果は出ていないが、合格していなかったら結果は黙っていよう。テキストは『神社のいろは』『神話のおへそ』『遷宮のつぼ』。神社や神話に興味をおもちの方は読み物としてもおもしろいですよ。読むのが面倒な方は、お会いしたときに質問していただければ、精一杯お話しします。宿題になってしまうことのほうが多いと思いますが……。

▼さて、そのテキストを読んでいたら、伊勢神宮の遷宮費用が出てきました。何と550億円ではありませんか。およそ7倍だったのです。20年の建て替えで550億円の経費ですから、年間におよそ27億円の減価償却となります。その経費は何に使われるのか、それはおいおい書こうと思っています。出雲大社の遷宮は5月10日に行われました。伊勢神宮は10月2日に内宮、5日に外宮で行われます。写真は、ちょうど出雲大社の遷宮の日に伊勢神宮で写したもの。そうだ、機会をつくって皆さんを伊勢にお連れしよう。(BCN会長・奥田喜久男)

2013年6月11日記



伊勢神宮の外宮。中央奥に見える白木の建物が新しいお社

つくり替えられている外宮神域内の鳥居。完成まであと少しだ