日本の姿を合わせ鏡で見る

 2006年4月から続くNHK・BS放送の長寿番組『cool japan』で司会を務める著者が書いた本。番組がスタートした当初、スタジオに集まった8人の外国人に、日本でクールと思ったものは何かと質問したところ、「洗浄機付き便座」「ママチャリ」に並んで「アイスコーヒー」が挙がったことに司会者(鴻上氏)は驚いた。コーヒーは香りを楽しむものという常識からすれば、欧州やブラジルの人たちには絶対に受け入れられないだろうと思われる。しかし、何回か飲んでいるうちに「おいしい」となる人がほとんどだとみる。アイスコーヒーは、日本人が知らないクール・ジャパンなのである。

 番組の100回記念で世界各国100人にアンケートを行い、クール・ベスト20を集計している。1位は洗浄機付き便座、2位には「お花見」が入った。ただし、秋の紅葉を楽しむという感覚は外国人には乏しいようだ。カナダ人は「黄色くなった葉っぱを見に、ツアーを組むなんて信じられない」と言った。以下、3位は100円ショップ、4位は花火(線香花火)などと続く。

 一方、日本の会社における新入社員の入社式については、ほとんどの外国人は理解不可能だという。これは、「社会に生きる人」と「(組織や地域などの)世間に生きる人」の違いが現れているからではないかと著者はみる。社会に生きる人たちは、道端で困っている人にも声をかけて手を差し伸べる。対して、世間に生きる人たちは、違う世間に生きる人たちには無関心、ないしは冷淡に振る舞うというのだ。なるほど、と思う。(仁多)


『クール・ジャパン!?』
外国人が見たニッポン
鴻上尚史 著
講談社 刊(760円+税)