世界が必要としている日本のシニア

 「〇〇で取締役をしていた××と申します」。地域の集会などで行われる自己紹介でありがちな一幕である。会社を定年退職しても、自己紹介では自身の輝かしい肩書きを加えてしまう。言わずと知れた大企業なのに、その部分は誰も関心がない。ましてや、地域での活動に役立たずな存在となれば、自己紹介でハードルを上げているだけに居心地が悪くなってしまう。大企業での出世がどんなに大変でも、一歩外に出れば一人の人間でしかない。過去の肩書きではなく、今の自分を胸張って自己紹介できる存在であり続けたいものだ。目指すは、定年後も精力的に活動する“アクティブシニア”である。

 本書は、国内外で活躍するアクティブシニアを紹介しながら、シニアには活躍の場があること、世界が日本のシニアを必要としていること、日本の課題解決がシニアにかかっていることなどについて解説している。「定年後も働かせる気か」と怒るかもしれないが、いざ定年を迎えると時間をもてあます人が多いのも事実。定年前にアクティブシニアという生き方を知っておいて損はない。シニアは経験が豊富なだけに、本人次第でチャンスは無限大に広がっていく。

 ちなみに、本書のタイトルにある「波平」は、国民的マンガ「サザエさん」に出てくる波平さんである。54歳とされる波平さんだが、マンガの設定の1950年頃には平均寿命が60歳前後だったことから、現在に換算すると77歳になるとして、本紙のタイトルで使っている。77歳でも十分に活躍できるという意味だ。決して、波平さん解説本ではない。(亭)


『もし波平が77歳だったら?』
近藤 昇 著
カナリアコミュニケーションズ 刊(1400円+税)