▼世界有数の渋滞都市に数えられるタイ・バンコクの街路に立つとバイクタクシーや名物の三輪タクシーが目につく。東南アジアらしい猥雑さを残すのは確かだが、交通量が圧倒的に多いのは四輪自動車だ。豊かになり、成熟してきている。

▼ただし、成熟は停滞と紙一重。タイは、日本の自動車製造業の有力な進出先であり、日本車が8~9割のシェアをもつが、自動車の国内販売は前年割れが続いている。こうした状況は、日系メーカーのIT投資にも影を落としている。

▼彼らはマネージャー層にもタイ人を積極的に採用している。結果として、ローカルの人材がIT投資の意思決定者になるという市場の変化が起き始めている。日系ITベンダーも、適応が求められる。

▼優秀な現地の人材確保はもちろん、育成して戦力として長く働いてもらうのも簡単ではない。「十分な報酬に加えて充実した福利厚生やキャリアパスを用意することが、長く働いてもらうには必要になってきている」と、日系ベンダー現地法人のある日本人幹部。タイでは日系ベンダーも“光り輝く”外資系企業。成長機会を得られる環境とブランド力の構築も急務のようだ。(霞)