ベンチャー社長20年の経験を凝縮

 あなたの会社は今、元気な社員ばかりだろうか。社内ベンチャーで横河マルチメディア(現・キューアンドエー)を起業した著者が、社長人生で学んだことを伝授する。創業20年の節目に上梓した。経営者や起業を目指す人、新しい事業に夢を抱く人に響く一冊だ。

 著者の理念は、「経営とは、そこで働く人間を元気にすること」。5年前の創業15年目に出版した「幸働力経営のススメ1」は、副題が「やる気と業績が劇的に変わる!」だった。今回の「2」では、失敗から学んで得たことを取り上げている。本書では要所要所に警句が出てくる。例えば、「決め手は差別化とマネタイズ。何を武器にし、どうやって集客し、どんな営業をするか?」。会社設立1年目、パソコンショップを都下に出店し、1億円の広告費を投じたが惨敗。差異化の見せ方や収益モデルの甘さを学んだ。

 もう一つ、警句を紹介する。「揺るがぬ『ビジョン』を持ち、それを継承する」。同社は創業当時、赤字続きでビジョンをもたない会社だった。設立6年目に「感動共有企業」を掲げ、翌年に黒字に転じた。ビジョンにあるDNAをブレずに継承したことで、そこに向かって社員を率いて邁進する経営者の使命が生まれたという。仕事に真面目に向き合ってきた著者の経験にもとづく、こうした警句が満載だ。これ以外にも、社員が元気になる人事制度や評価方法を紹介している。著者の体験から生まれた警句に対し、ショートセンテンスで解説がつく形なので、気楽に読み進め、経営者や事業責任者としての心得を知ることができる。著者は4月1日に横河レンタ・リースの社長に就任している。(吾)

失敗から学んだ
あきなき挑戦の20年
『幸働力経営のススメ2』
金川裕一 著
カナリアコミュニケーションズ 刊(1500円+税)