駐在記者・真鍋武が体験したリアルな中国

<駐在記者・真鍋武が体験したリアルな中国>ビッグデータで社会的信用度を数値化

2016/07/07 19:46

週刊BCN 2016年07月04日vol.1635掲載

 傘を持ち歩いていない日に雨が降る。そういう経験は、誰にでもあるものだ。中国では、そんな人をターゲットとして、雨が降ると安傘の売り子が駅などに出現する。しかし、こうした際に毎回有料で傘を購入するのは気が引ける。

 最近、無料の貸し傘サービスを発見した。螞蟻金融服務集団傘下の第三者個人信用情報機関である芝麻信用が提供しているもので、電子決済サービス「支付宝」を通して傘にあるQRコードをスキャンし、自分の社会的信用度を示す数値が600を超えていれば傘が借りられる仕組みだ。

信用度の高いユーザーは傘を無料でレンタルできる

 信用度を示す数値は、ユーザーの支付宝の利用状況などのビッグデータ分析結果から算出される。数値が高いユーザーは、このほかにも、ホテルやカーレンタルをデポジット不要で利用できたり、外国ビザを取得しやすくなったり、ローンを組みやすくなったりする。社会的信用の高い人ほど、優遇したサービスを受けられるのだ。
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