超高齢化社会で40代は“若手”

 昔の上司がサラリーマンを辞めて、学習塾の事業主として独立した。事業は現在でも順調のようだが、昨年、歌手として念願だったメジャーデビューを果たした。ショッピングモールのステージで活動しているとは聞いていたが、さすがに驚いた。50代という遅咲きのデビューである。夢の実現に年齢は関係ないことを証明してみせた。

 若い人の活躍をみて「自分ももう少し若かったら」などと思いつつ、安住の地で大人しく定年を待つベテランのサラリーマン。家庭があるし、老後も不安だし、ローンも残っているということで、リスクを追えないという気持ちになりがち(自戒の念を込めて)。とはいえ、どうせ一度きりの人生。長く生きていれば、人脈も経験も増える。気力と体力が残されているなら、若者よりも成功の確率が高いはずだ。

 世の中には、人生の後半になってようやく成功を収める人がいる。その成功者の人生を紹介するのが本書である。掲載されているのは19人。登場する成功者の多くは実業家だが、43歳で政治の表舞台に復帰する岩倉具視のチャレンジも興味深い。幕末はまだ平均寿命が40歳代といわれていた時代ゆえ、現在なら80歳デビュー相当。人生は死ぬまでチャンスがあるということだ。

 本書では成功者の人生のまとめとして、「成功者に学ぶ逆転の法則」を三つにまとめて紹介している。なかでも岩倉具視の章で掲載されている二つ目の逆転の法則が興味深い。「商談などが難航したら、年長者としての『凄み』を見せよ」。若者に迎合しがちなベテランよ、立ち上がれ!(亭)

『遅咲きの成功者に学ぶ逆転の法則』
佐藤光浩 著
文響社 刊(1380円+税)