▼米国の雇用創出を重視するドナルド・トランプ米大統領の政策を額面通り受け止めると、恐らく米国の情報サービス業界で最も影響を受けるのは海外オフショア開発ではないだろうか。

▼米国の主なオフショア先はインドであるため、少なくともオフショアに関しては、日本の情報サービス業界への直接的な影響は少ないとみられる。

▼日本では、中国でのオフショアが拡大した時期があったが、中国の急速な経済発展で頭打ちになった。今のベトナムでのオフショアは、かつての中国ほどの規模にはならない可能性が高い。その分を地方のSE人材によるニアショアという形でのアウトソーシングで吸収できるからだ。

▼インテック元社長の中尾哲雄氏は、財務諸表に記載されている人件費は「本来なら“利益”に相当する」と話していたのを思い出す。人件費は企業にとってはコストだが、地元富山にとっては利益である。よって地域経済が活性化すれば、地元の企業にとっても利益になる。

▼米国の行き過ぎたグローバリズムが揺り戻しを起こすとしても、冷静に対処していきたいものである。（寶）