北斗七星

北斗七星 2017年3月27日付 vol.1671

2017/03/31 09:00

週刊BCN 2017年03月27日vol.1671掲載



▼IBMは「データは天然資源である」と盛んにメッセージを発している。そのままでは使えない天然資源を精製して使えるようにするのがワトソンであり、AIであるというわけだ。

▼IBMは、とうとう気象データまで集め始めた。多くの企業は、3か月先、6か月先の気象予報を需給予測の判断材料のひとつにしているが、実際に判断するのは、長年の勘と経験と度胸(KKD)ではないだろうか。IBMはこの判断までをワトソンにさせることを目指している。

▼別の見方をすれば、鉄鉱石を鉄にしたり、ボーキサイトをアルミにしたりするように、世の中のあらゆるデータを精製して、価値の高い材料に仕上げる手法は、差し詰め“現代の製鉄会社”といえるかもしれない。ユーザーはこうした材料をもとに、より売れる自動車や飛行機をつくることでビジネスを伸ばす。

▼膨大な天然資源をバックに“KKD”を超えるAIが登場した時点で、IT業界の勢力図は大きく変わる可能性がある。もちろん天然資源をより多くもっているAIベンダーが有利であることはいうまでもない。(寶)
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