先日取材した日系SIerの総経理から興味深い意見をうかがいました。それは、「将来的に中国で存在感のある企業になることだけが本当にゴールなのか」というもの。中国の日系ITベンダーを取材していると、多くの現地トップは、ローカル企業の開拓を将来の目標に掲げるのですが、実際には売上高の大部分をローカル企業から稼ぐといった大きな成果をあげている例はほとんどありません。

 日本のITベンダーが中国に続々と進出し始めたのは2000年代から。当時はIT市場が未熟で開拓の余地がありました。しかし、市場環境は大きく変わりました。地場のITベンダーが成長を遂げ、競争力ある製品やサービスが増加。各業界に強みをもつベンダーが存在して、そこに日系が入り込むことは、以前に増して難しくなっています。

 環境や立ち位置が変わっているのに、目指すところは一辺倒。しかし、それを実現するための具体的な打開策が何年経ってもみえてこない。このままではいけない。最近、現地法人の位置づけを見直して、中国の先進的な製品・サービスの日本への展開を検討するなど、新たな方向性を模索するベンダーが少しずつ増えてきたと感じます。(上海支局 真鍋武)