BOOK REVIEW

<BOOK REVIEW>『地域創生のプレミアム戦略 稼ぐ力で上質なマーケットをつくり出す』

2018/04/18 09:00

週刊BCN 2018年04月09日vol.1722掲載



付加価値力の向上が地域創生のカギ

 実施から1年が経ち、もはや有名無実化しつつあるようにもみえるプレミアム・フライデーだが、読者のみなさんは有効に活用できているだろうか。プレミアムという言葉はなかなか捉えどころがない。「高級な」「上質な」という意味で使われるのが一般的だが、巷に溢れるプレミアムを冠した製品やサービスのなかには、一体何がプレミアムなのかと問いたくなるようなものも少なくない。

 本書が提示するプレミアム戦略とは、顧客や第三者の評価に耐え得る高い付加価値を製品やサービスに落とし込み、相応の対価で売る戦略を指す。著者は、日本企業や日本の地域にとって重要なことは「いいものを安く売ることではなく、プレミアムなものを価値に見合った価格で売ること」だと説く。そして、地域経済の活性化や街づくりにおいても、高い付加価値を創造・再発見し、それを元手に豊かさを得るモデルが有効だと指摘。さまざまな地域や産業分野でのプレミアム戦略の取り組み事例を紹介している。(壁)
 
 
『地域創生のプレミアム戦略
稼ぐ力で上質なマーケットをつくり出す』
山崎 朗、鍋山 徹 編著
中央経済社 刊(2600円+税)
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