人生100年、これからの生き方を考える

 男女共に平均寿命が80歳を超える日本は、現在、「人生100年時代」ともいえる長寿時代を迎えている。しかし、長く健康に生きられるというと聞こえはいいが、次第に衰えていく身体に介護、経済、高齢者に向けられる社会の目などを考えると、100年生きられることを素直に喜べるだろうか。

 本書の著者である五木寛之氏は、人生100年時代の到来に戸惑う人々へ理解を示し、その上で85年を生きた自身の体験と考えを基に、「百歳人生を生きるヒント」を提示する。50代は「事はじめ」、60代は「再起動」など、著者の考える50代から90代まで各年代の位置付けや生き方は、その年代が未知である分、心構えとして身に刺さる。

 ただ、人生100年時代といっても、実際にいつまで生きられるかは分からない。五木氏自身が述べるように本書の内容はあくまで「ヒント」であり、「今日一日を、自分の納得するように生きよう、という決意が大切」。今どんな年代にいる人でも、心に響く言葉ではないだろうか。(宙)
 

『百歳人生を生きるヒント』
五木寛之 著
日本経済新聞出版社 刊(780円+税)