中国型イノベーションを手本に

 中国におけるデジタル化の進展が目覚ましい。モバイル決済の普及を契機に、データを活用したサービスの改善や付加価値向上、新サービスの開発などが活発に行われている。

 その中心にいるのが、中国のプラットフォーマーである阿里巴巴(アリババ)集団と騰訊控股(テンセント)。両社を追うように、中国国内では新興企業が勃興、政府もそれを後押しするなど、中国はデジタル強国としての存在感を強めている。ここまで中国のデジタル化はどのように進んできたのか。

 本書は、中国FinTech研究の第一人者である著者が、中国政府が掲げる政策やアリババ・テンセント両社のビジネス戦略などを通して、中国のデジタル経済とイノベーションの本質について迫る。大きなポイントは、デジタル化を推進しようとする政府の方針に加えて、中国企業の果敢なチャレンジ精神や意思決定のスピード感である。デジタル化を推進する上での中国と比較した日本の企業体質や社会風土の課題を指摘し、中国から学ぶことの重要性を説いている。(宙)
 

『チャイナ・イノベーション』
李智慧 著
日経BP社 刊(1800円+税)