BOOK REVIEW

<BOOK REVIEW>『クラシック音楽全史』

2018/12/26 09:00

週刊BCN 2018年12月17日vol.1756掲載



クラシック音楽史の基本を押さえる

 ビジネスの場で有効な教養として「クラシック音楽」を挙げ、「まずは読んで楽しんでもらう」という視点から、音楽の歴史と発展を一通り解説しているのが本書だ。著者は東京フィルハーモニー交響楽団で広報渉外部部長を務める。

 クラシック音楽は、一般的に17世紀から19世紀の間に作られた西洋音楽のことを指す。「バロック」「古典」「ロマン」など、時代から時代へと、音楽家の手によって楽器や演奏スタイル、楽曲の構成が変遷しながら進化を遂げてきた。

 中でも、誰もが知るベートーヴェンは音楽史の中でも重要な役割を果たした。本書では1章を使って、彼が起こした“イノベーション”を紹介している。

 クラシックの名曲には、作曲者が生きた時代の社会や経済の情勢が反映されている。その背景を知った上で聴くことで、楽曲の理解をより深めることができるだろう。教養としてクラシック音楽の知識を得るだけでなく、クラシック音楽に対する興味を引き出される一冊だ。(宙)
 


『クラシック音楽全史』
松田亜有子 著
ダイヤモンド社 刊(1600円+税)
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