意識の低さが成功への道

 新製品のプレゼンテーションでは、製品自体の特徴に加えて、市況やユーザーのニーズ、販売計画などが細かく説明されることが多い。ほとんどの場合、企業は市場を綿密に分析しており、話を聞く限りでは、戦略にも抜かりがないように思える。

 しかし、マーケティングに多大なお金と時間をかけた製品であっても、計画通りには売れないことのほうが多い。本書はその原因を“意識高い系”の罠に陥っているからと分析。「ロジックよりも欲望」「二番煎じを恐れない」「弱点は親しみやすさと紙一重」といった、売り手のプライドや体面を脇に置いた戦略の重要性を説き、周りからは“ちょいバカ”に思われるくらいのほうが、ビジネスは成功に近づくとしている。

 「当社は○○で世界を変える」といった経営者の発言を耳にすることは多いが、顧客の関心事は世界よりも、自分の仕事や生活だ。意識高い系の人が最近よく口にする「真の顧客志向」は、「ちょいバカの追求」と言い換えても良いのではないか。(螺)
 


『ちょいバカ戦略 
―意識低い系マーケティングのすすめ―』
小口 覺 著
新潮社 刊(740円+税)