BOOK REVIEW

<BOOK REVIEW>『Why Digital Matters? “なぜ”デジタルなのか』

2019/02/20 09:00

週刊BCN 2019年02月11日vol.1763掲載



暗中模索の日本企業にDXのヒントを示す

 ERPのトップベンダーであるSAPが、デジタルトランスフォーメーション(DX)の総合ソリューションベンダーに変貌し、ERP以外の売り上げが6割~7割を占めるようになったのはごく最近だ。ちなみにERPビジネスにおいても同社は成長を続けており、イノベーションのジレンマを乗り越え、継続的な成長に向けた基盤を築きつつあると言っていいだろう。

 一方で、日本におけるDXの在り方は、いまだ暗中模索の感がある。本書では、SAPの日本法人であるSAPジャパンが、日本企業向けにDXにどう向き合い、先進ITをどう使い、ビジネスモデルをアップデートしていくべきかのヒントを具体例とともに提示した。「スジのよいデジタル活用とスジの悪いデジタル活用の違いはどこにあるのか?」「AI/IoT/デジタル/データを活用してイノベーションを実現するための勘所はどこか?」といったテーマには、多くの経営者が強い関心を示すのではないか。ERPの専業ベンダーからいかに変革を成し遂げたのかというSAP自身のイノベーションのストーリーには説得力がある。(霹)
 

『Why Digital Matters? “なぜ”デジタルなのか』
村田聡一郎(SAPジャパン) 監修
プレジデント社 刊(1600円+税)
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