BOOK REVIEW

<BOOK REVIEW>『小説 第4次産業革命 日本の製造業を救え!』

2019/05/22 09:00

週刊BCN 2019年05月13日vol.1775掲載



TBS日曜劇場枠を狙えるか!?

 TBSの日曜劇場といえば、池井戸潤原作の「下町ロケット」などの大ヒットにより、“サラリーマン応援ドラマ”枠の印象が強くなった。中小企業が取引先や競合の大企業に翻弄されながらも、「誠実」「人情」「磨き上げた職人の技」といったキーワードで活路を見いだす、あるいは大企業の中間管理職が社内政治の荒波に抗って人間としての生き方の筋を通す。

 本書も主人公はティア2の金属加工会社の二代目社長。新卒でメーカー系ベンダーにSEとして入社したという経歴はIT業界人の琴線に触れるかもしれない。ただし、一般的な娯楽小説とはテイストが異なる。著者はNRIで製造業のコンサルに長年携わってきた二人。その経験を基に、デジタル変革による第4次産業革命やものづくりIoTといった概念とそれを実際のビジネスに落としこむ方法論・プロセスを、ディテールにこだわって小説仕立てで解説しているという印象だ。効果的なテクノロジー活用とアイデアで生き残りを図る中小企業の姿がドラマ化されたとすれば、単なるカタルシスを超えた啓発効果が期待できるかも。(霹)
 

『小説 第4次産業革命 日本の製造業を救え!』
藤野直明、梶野真弘 著
日経BP社 刊(1600円+税)
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