▼経団連の中西宏明会長やトヨタの豊田章男社長が相次いで終身雇用制度の限界に言及した。年功序列の賃金体系と並び、生産性の低い、低賃金・労働集約型のビジネスから日本企業が抜け出せない要因とも指摘される。多くのレガシー企業が変わるきっかけになるか。変化にはITのビジネスチャンスありだ。

▼終身雇用は、雇用調整を新卒採用に依存するシステムでもある。割を食った「ロスジェネ」世代の救済策も政府は本気で検討するという。本人の意欲次第でキャリアを開拓できる力を養う、その支援が重要であることは言うに及ばず、再チャレンジを容易にする雇用の仕組みを根付かせる必要もあるだろう。

▼一部の国産大手ベンダーを除き、ITベンダーは比較的人材流動性の高い業界だ。外資系ベンダーでは顕著だが取材対応してくれた人が、次の月にはライバル会社の製品を売っていたという例も珍しくはない。

▼巡り巡って元の同僚とまた同じ会社で働くこともあるだろうし、違う会社に所属していても、気心知れた仲が協業の輪をつなぎオープンイノベーションの化学反応を誘発するかもしれない。そんな未来の再会を期待して、去る人を見送るのも悪くない。(霹)