「日本でも、諸外国に比べ普及が遅れているキャッシュレス決済を広げよう」。現金大国とされる日本ですが、ここ数年は政府の後押しもあって、電子マネーやQRコード決済の普及に多くの事業者が力を注いでいます。しかし、実ははるか昔から、日本ではキャッシュレス決済が浸透していたという見方もあります。それが口座振替・振込で、クレジットカードやデビットカードの引き落としを除いても、口座からの出金(※)のうち約4割は自動引き落としや振り込みといった、キャッシュレスでの支払いに充てられているというデータがあります。(※3メガバンクにおいて、個人の給与受取口座からの出金額)

 日本では個人が日常的に振替・振込を使いこなしているのだから、そこまで必死になって新しいキャッシュレス決済手段を導入しなくてもいいのでは、という見方もありますが、明らかに利便性の面で問題となっているのが、口座振替の初回登録プロセス。銀行名や口座番号を用紙に記入し、届出印を押して提出するという手続きは、さすがにそろそろやめにしてほしいものです。

 対面の商談においては、携帯型決済端末にキャッシュカードを通すだけで口座登録が完了するシステムも提案されており、利便性が高まると同時に、「今日は印鑑がないのでまた今度」と言われてお客を逃す心配がなくなります。口座振替という日本式キャッシュレスは、海外ベンダーが手を出しにくい領域なので、今後も堅い需要が期待できそうです。(日高彰)