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DXのための理論武装に


 ブロックチェーンの有力な識者として知られる著者の高木聡一郎氏は、今年、東大大学院情報学環準教授に就任した(従来のGLOCOM主幹研究員も兼務)。プロローグ冒頭で同書の主題を「デジタル化がビジネスや経済に与える本質的な影響を明らかにすることです」と端的に説明しているが、まさにこれこそが著者の本来の研究テーマ。自身の造語である「デフレーミング」をキーワードに社会の変化を読み解く。

 デフレーミングとは枠が崩壊するという意味だという。「伝統的な製品、サービスや組織の枠を越えて、それらの内部要素をデジタル技術で組みなおす」ことで、「個別最適化」や「個人化」が進んでいくと指摘する。デジタルトランスフォーメーション(DX)も同じ文脈でその原則や理論を示し、具体的な変革のかたちを展望できるという。ブロックチェーンについても、DX時代の「信頼」を担保する重要な技術としてしっかり紙面を割いて説明してくれている。(霹)


『デフレーミング戦略
アフター・プラットフォーム時代のデジタル経済の原則』
高木聡一郎 著
翔泳社 刊(2000円+税)