兵器から読み解くAIの本質


 先日、ロシアの武器メーカーがAI搭載型の無人戦闘車両を開発したと発表した。人間による運用を想定しているものの、自動で対象物を認識し、攻撃を行う機能を搭載しているという。

 これまでの技術革新では人が行う「動作」の自動化が進められてきた。しかし、AIの領域では「判断」の部分までも自動化しようとする試みが進む。これまで人が担ってきた判断を代替するならば、SF作品にありがちなAIが人類に反旗を翻すストーリーが、現実味を帯びてきたと感じることもあるかもしれない。

 とはいえ、AIはまだまだ特化型が主流。人間の用意した教師データを基に人間が書いたプログラムに従って機能している以上、結局は人間が主体となっている。

 本書は、AIの仕組みや人の意識とは何かといった基本からAI兵器の現状・未来までを解説し、AI時代の中でわれわれがどう振る舞うべきかを提案する一冊。来たるAI時代において著者は、共感力と寛容こそが、AIが解けない難題を解決するカギになると説く。(万)


『AI兵器と未来社会 キラーロボットの正体』
栗原 聡 著
朝日新聞出版 刊(750円+税)