勝ち上がってきたのには理由がある

 メッセージアプリ「ウィーチャット(微信)」で有名な中国テンセント(騰訊)。ビジネス作家の呉暁波氏が、創業者の馬化騰氏をはじめとするキーパーソン60人超にインタビューして、ユーザー数11億人の中国巨大ITプラットフォーマーがどうのように誕生したのかを時系列でまとめた力作だ。

 呉暁波氏は「中国のインターネット企業はほぼ全てが米国でクローン」であると指摘。また中国は、米国をはじめとする海外ネットサービスの多くを遮断する保護された市場でもある。それでも中国国内の何百何千社のスタートアップ企業のなかから、激しい競争を勝ち抜いてテンセントが巨大ITプラットフォーマーになれたのには理由がある。

 競合するアリババや百度との激しい攻防戦や買収合戦。あまりの独擅場ぶりや閉鎖性が度々指摘されてきたテンセントだが、本書はその素顔や苦悩を500ページ余りにわたって赤裸々に描いている。(寶)
 


『テンセント~知られざる中国デジタル革命トップランナーの全貌』
呉暁波 著
箭子喜美江 訳
プレジデント社 刊(2300円+税)