ITの歴史を振り返ると、メインフレーム(集中)、クライアント/サーバー(分散)、クラウド(集中)といったように、「集中」と「分散」の両極の間を往復しながら最適なモデルを模索してきたのがこの半世紀だったように見えます。まだまだクラウドへのシフトは続いていますが、その一方で、IoTやAIを用いるシステムの一部では、クラウド側へデータをいちいち運ぶよりも、現場で処理を済ませる「エッジコンピューティング」の構成を用いたほうが、コスト・性能の両面で有利ということが分かってきました。

 ITのトレンドは、クラウドとエッジを組み合わせる形態で、再び分散型へと振れようとしているようです。エッジコンピューティングは、工場や店舗といった「現場」にフォーカスしたモデルですので、現場の力が企業の競争力に直結してきたとされる日本では、いろいろな新しいソリューションが生まれることが期待されます。

 しかし、エッジ側の情報システムがビジネスにとって重要なものになればなるほど、それをどうやって運用していくかが企業にとって課題となります。本社やデータセンターのバックアップはきちんと取っているが、支社や工場などの端末やサーバーの運用は現場まかせになっているという話もよく聞きます。データ保護ソリューションベンダー各社も中規模以下にフォーカスした製品を相次いで投入しており、エッジ領域での需要の取り込みを狙っています。(日高彰)