アクロニス・ジャパンは7月23日、都内で報道関係者向けの事業説明会を開催した。シンガポール本社から来日したセルゲイ・ベロウゾフCEOと、嘉規邦伸代表取締役が、パートナー向けのデータ保護プラットフォーム「Acronis Cyber Cloud」を紹介し、今後はパートナーとの協業による企業向けサービスの提供に重点を置く考えを示した。

 同社はバックアップソフトを主力としてきたが、今年の業績は全世界合計で前年比30%増という高水準で推移しているという。その理由として、ベロウゾフCEOは「デバイスの数とデータの量が急速に増えており、それらの管理が複雑化していること」「サイバーセキュリティでは、防御側に対し攻撃側のコストが著しく低くなっていること」を挙げる。脅威の検知や防御だけでなく、データの破壊に備えなければいけないという情勢の中で、同社の製品はバックアップとセキュリティの両機能を併せ持ち、PCからサーバー、モバイル端末まで幅広いデバイスに対応していることから、販売を伸ばしていると説明した。
 
セルゲイ・ベロウゾフ
CEO

 ベロウゾフCEOは、今後はソフトウェア製品の販売に加え、技術のパートナー向け提供を伸ばしていくと強調。Cyber Cloudは、バックアップ、ディザスタリカバリー(災害復旧)、ランサムウェア対策などのデータ保護機能に加え、アカウントや利用状況の管理といったサービス事業者向けの運用機能をもつプラットフォームで、同社からSaaSとして提供されるほか、パートナーのデータセンター(DC)に展開することも可能。
 
嘉規邦伸
代表取締役

 嘉規代表取締役は、日本市場での今後の施策の一つとして、自社DCをもつSIer向けのCyber Cloudの提供に注力すると説明。「多くのサービスやソリューションが、大手パブリッククラウド上に移行しつつあるのに対し、顧客の要望に応じて、SIerの堅牢なDCにデータを格納したいというニーズも強い」と指摘。Cyber Cloudを用いれば、バックアップデータの管理機能はアクロニスが提供しつつ、データの保管場所としてはパートナーの自社DCを活用するという構成を容易に実現できるとした。また、Cyber Cloudの機能は、アクロニスのブランドを表に出さない“ホワイトレーベル”形態で提供が可能。パートナーは自社のブランドで、初期投資を最小限に抑えながらデータ保護サービスを開始することができる。API連携により、パートナーが提供している既存の業務アプリケーションにデータ保護機能を追加するといった形態も考えられるという。

 嘉規代表取締役はF5ネットワークスジャパンでパートナー営業本部長、Box Japanでチャネル営業部長などを務め、今年6月から現職。Cyber Cloudのパートナーを現在の50社から、2021年度中に10倍の500社まで増やすことを目標として掲げた。(日高 彰)