DXという言葉の曖昧さにウンザリしている人へ

 今や多くのITベンダーがユーザーのデジタルトランスフォーメーション(DX)をいかに支援するかを成長戦略の柱に据えている。しかし、それぞれの立場で勝手に意味を定義して使っているように見える場面も多いのが実情。著者も、DXが一体私たちに何をもたらし、ビジネスがどう変化するのか具体的に示している例は非常に少ないと指摘する。そんな状況にピリオドを打ち、DXに取り組む企業がその第一歩を踏み出すための案内版としての役割を果たすべく筆をとった成果が本書だという。

 デジタルテクノロジー領域を中心にフリージャーナリストとして活躍する著者は、アドビシステムズをはじめ実際にDXに取り組み成果を出した企業への取材を基に、DXを実現するために必要なマインドやメソッド、DXのビジネス上のインパクトなどを論じている。「DXの本質とは、『自社にとっての最適をつねに問い直す』ことにあり、それを支えるテクノロジーにある」という結びをITビジネスに携わる読者ならしっかりと受け止めたい。(霹)
 


『デジタルトランスフォーメーションで何が起きるのか
「スマホネイティブ」以後のテック戦略』
西田宗千佳 著
講談社 刊(1400円+税)