BOOK REVIEW

<BOOK REVIEW>『中国人が上司になる日』

2020/02/05 09:00

週刊BCN 2020年01月27日vol.1810掲載

その日はもう来ている

 2019年、日本の総人口の中で在留外国人の割合が初めて2%を超えた。法務省によればその内の約30%が中国人で、その存在感は無視できなくなりつつある。そろそろ中国人との付き合い方もちゃんと考えていくべき段階だろう。

 こんなふうにゆったりと構える日本人は多いかもしれないが、ビジネスにおいてはもはやそうもいっていられなくなってきている。11年に蘇寧電器(現蘇寧易購集団)がラオックスを買収し、16年にはシャープが鴻海精密工業の傘下に入った。日本を代表する企業が次々と中国企業の傘下に加わる中で、明日には自分の上司が中国人になっている可能性は大いにあるのだ。

 本書は中国のラジオ局で10年以上の実務を経験した著者が、中国資本の日本企業や中国企業に就職した日本人への取材をもとに日中のビジネス文化の違いをまとめた一冊。日本人だけでなく中国人側の目線も取り入れ、異なる文化の中で互いに困惑する現状を中立の立場から分析している。(万)
 

『中国人が上司になる日』
青樹明子 著
日本経済新聞出版社 刊(850円+税)
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