北斗七星

北斗七星 2020年7月6日付 vol.1832

2020/07/10 09:00

週刊BCN 2020年07月06日vol.1832掲載



▼外資系ITベンダーを中心に「ケイパビリティ」という言葉がよく使われる。「能力」という意味だが、主にベンダーとしての技術力や業種向けノウハウなどを指すことが多い。

▼AWSのパートナープログラムは、パートナー企業の具体的なケイパビリティを可視化することでユーザーがベンダー選択をしやすいようにした仕組みで、それが顧客基盤拡大に大きく貢献したと言われる。顧客にどんな価値を提供できるのかが、より分かりやすくなるということだ。

▼最近、SAPジャパンも似た取り組みを始めた。特定業種・業界のノウハウを持つパートナーが自らのケイパビリティをERPと組み合わせてパッケージ商材化するというもの。労働集約的な業務を担ってくれる存在ではなく、より上流で価値をつくる協創相手としてパートナーを捉えるようになっている。

▼今年5月に経産省、厚労省、文科省が発表した2020年版の「ものづくり白書」では、不確実性が高まる世界の中で競争力を高めるために、ダイナミック・ケイパビリティ(企業の変革力)を強化すべしと指摘した。これをどう測るかは難しいところだが、デジタル戦略なくして成しえないことは自明だ。(霹)
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