▼2月下旬、通信業界の国際見本市「MWC」が中国・上海で開催された。毎年、スペイン・バルセロナと上海で1回ずつ行われる展示会で、筆者は何度も取材を重ねてきたが、昨年はコロナ禍で両会場とも中止。本来であれば、2月に順番が回ってくるのはバルセロナでの開催だが、欧州の感染状況が落ち着かないことから、今年は先に上海での開催となった。

▼率直に言って、このような大型イベントを再び開催できるようになった中国がうらやましい。画面越しのリモート取材にはすっかり慣れたが、やはり展示会場のブースから立ち上る熱気、基調講演中の聴衆のどよめきなど、生のイベントの「空気」が持つ情報量は計り知れない。

▼VR技術などを駆使して、リアルイベントの臨場感をテクノロジーで再現する試みも始まっている。これはまさにイベントのデジタルトランスフォーメーションであり、今まで訪れる機会のなかったイベントにも気軽に参加し、新しい体験ができるようになったのは喜ばしいことだ。それでも、あの暑苦しく騒々しいイベント会場が恋しくなってしまうのは、群れをなして生存してきた人間の本能なのだろうか。(螺)