第一次産業におけるITベンダーの実業の動きが広がっています。短期間の実験ではなく、会社を立ち上げ、自社のデジタル技術をフル活用して野菜や魚を生産するなど、本格的な事業として展開しており、デジタルビジネスの新たなモデルとして注目が集まっているようです。

 もちろん、彼らは野菜や魚で利益を上げたいわけではありません。事業から得たデータやノウハウをソリューションとしてパッケージ化し、広く売り込んでいく狙いです。ただ、ソリューション技術を単体で切り売りする方法ではなく、なぜ事業会社まで立ち上げ、ビジネスを展開することにしたのか。そんな疑問が記者にはありました。

 その答えは記事を読んでいただければと思いますが、取材の中で一つ印象に残っているのが「第一次産業で働く人は仕事への思いが強い」という言葉でした。自らの仕事に熱い思いを持つ産業従事者を納得させられるソリューションを生み出すには、自らも汗を流し、手を動かし、説得力のある実例を示す必要があるのでしょう。

 資金面や人的リソースの問題もあり、ITベンダーによる非IT事業への進出は容易ではないかもしれません。それでも、このような事例が増えることで、ITベンダーの可能性はさらに広がっていくのではないでしょうか。(藤岡堯)

【記事はこちら】
DXのリファレンスを打ち出せるか ITベンダーが自ら手掛けるデジタル一次産業