BOOK REVIEW

<BOOK REVIEW>『スモールビジネスの教科書』

2022/04/29 09:00

週刊BCN 2022年04月25日vol.1920掲載

ベンチャーとは異なるビジネスの世界

 経営に関するビジネス書というと、主に大企業向けやベンチャービジネスなどが多い。本書は「教科書」の名の通り、「スモールビジネス」について学べる本。著者が経験したことを踏まえ、スモールビジネスをどのようにして生み出すかという具体的な方針を解説している。
 

 特に、ベンチャービジネスとは目的も手法も異なるという。違いは「小規模ながら安定着実な経営を実現している」こと。年間安定して3000万円以上、自由に使えるお金を2年以内に創出できるのがスモールビジネスとのことだ。事業価値の最大最速成長を重視せず、関係者に対しても利益をもたらすこともポイントだ。ベンチャービジネスで善とされるイノベーションは、スモールビジネスにとって必要なく、社会や産業構造の変革を目指す必要もないと、著者は説明している。

 ビジネスの世界で目立つのは、大企業とベンチャーであり、スモールビジネスが表舞台に出ることはほとんどないという。ただ、スモールビジネスのノウハウを取得すれば素晴らしい世界が広がっていると本書では説明している。初心者でも取り組みやすいよう、分かりやすくまとめた内容になっている。
(郁)


『スモールビジネスの教科書』
武田所長 著
実業之日本社 刊 1628円(税込)
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