北斗七星

北斗七星 2022年7月11日付 vol.1930

2022/07/15 09:00

週刊BCN 2022年07月11日vol.1930掲載



▼電力が足りない。今年は各地で「史上最短の梅雨」を記録した。東京都心で6月25日から9日間連続で最高気温が35度を上回るなど猛烈な暑さとなり、電力需要が増大。東京電力管内では、安定供給のために死守すべきラインとされる「予備率3%」を割り込む直前まで需給がひっ迫した。

▼7月以降も依然として綱渡りの状況は変わらず、政府は国民に向けて「無理のない範囲での節電」を呼び掛ける。ただ、国内の電力消費全体のうち、家庭が占めるのは約3割で、残りの約7割は産業・業務用途だ。照明やエレベーターの運転を間引く店舗などが見られるほか、需給が厳しい夕方の操業を抑える工場が現れるなど、企業の節電協力も具体化してきた。

▼IT産業もこの流れと無縁ではいられまい。データ量の増大で、今後データセンターの電力消費量が急増することは確実視されており、将来の電力危機の際にはITが目の敵にされる。遠隔のデータセンター間で負荷を動的に融通する、画像などの品質を一時的に落としてデータ量を削減する、といった具合に、緊急避難的に消費電力を抑えるアーキテクチャーが求められることだろう。(螺)
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