今日は何の日

<今日は何の日>2月20日(1923年)『丸ノ内ビルヂング竣工』

2023/02/20 09:00

週刊BCN 2023年02月20日vol.1958掲載

荒れ果てた地を日本有数の街に

 三菱グループの創始者・岩崎彌太郎の弟である岩崎彌之助は、1890(明治23)年に東京・丸の内の広大な土地を取得する。江戸時代には大名屋敷が建ち並んでいた界隈で、明治維新後は政府が所有し陸軍が使用していた。

 その場所が民間に払い下げられることになったが、草ぼうぼうの荒れ地で、誰も買い手がいない。しかし岩崎は、まだ何もないこの土地に、西洋式のオフィス街を開発するビジョンを描き、当時の東京市の年間予算の3倍という大枚をはたいて購入した。

 その後、三菱は丸の内の開発に成功し、この地は日本を代表するオフィス街として発展していった。その象徴となったのが、東京駅開業から約8年後の1923(大正12)年2月20日、駅の目の前に竣工した「丸ノ内ビルヂング」(旧丸ビル)だった。竣工時点で、延べ床面積は東洋一。今では当たり前となった、自由に通り抜けられる商業空間を下階に配置する設計は、旧丸ビルが初めてという。

 99年に取り壊され、2002年に現在の「丸の内ビルディング」(丸ビル・写真)へと建て替えられたが、旧丸ビルの基礎として使われた木製の杭が、現丸ビルのオフィスエントランスに今も展示されている。
(螺)
 



由来
1923年2月20日、東京・丸の内の東京駅西側に、戦前期の国内で最大となるオフィスビル「丸ノ内ビルヂング」が竣工した。
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