後発でも時代を先行
昔、処方された薬の代金が安くて驚いた記憶がある。今になって思えば、事前にジェネリックでも問題ないか親が確認していたはずだが、幼い頃は理解できなかった。
ジェネリック医薬品は、有効成分や品質・効き目・安全性などが先発の新薬と同等で、後発薬とも呼ばれている。新薬の特許が切れた後、科学的な基準に従って厚生労働大臣の承認を受けて製造・販売される。
新薬は長ければ十数年の歳月と数百億円以上の費用をかけて開発されるが、後発薬はすでに明らかになっている有効成分を使うため、新薬に比べて開発費は少なく開発期間は短い。これが低価格につながっている。製品によっては、形状や大きさ、味や香りなどの添加物が新薬と異なり、服用しやすいように改良されているケースもある。
テクノロジーにおいても、広く普及し、安定性・信頼性が高く、コストが下がった技術を応用することは日常だ。任天堂が開発した「ゲームボーイ」や「ニンテンドーDS」などは、液晶パネルやLSI、タッチパネルといった既存の技術を組み合わせて、新しい価値を生み出した。安く便利なものには、誰かが工夫し続けてきた歴史がある。財布に優しい製品を見るたびに、先人に感謝したい。(駄)
由来
ジェネリック医薬品協議会が制定。1997年のこの日、当時の厚生省がジェネリック医薬品承認のための科学的基準を定めた。