▼光陰矢のごとし。時間だけは誰にも平等に与えられているはずなのに、あっという間に日々が過ぎ去っていく。いつも以上に仕事に追われる師走である。
▼2025年のIT業界で目立ったのが、大手SIerの非上場化が相次いだことだ。最大手のNTTデータグループが5月、NTTの完全子会社になったのに続き、SCSKは親会社の住友商事が11月、完全子会社化することを発表した。いずれも株式公開買い付けにより、上場子会社を非上場に変更し、親子上場を解消する動きである。
▼これら業界の動向について、自社も親子上場を廃止したあるSIerのトップに水を向けてみたところ、一般論と前置きをしつつ、上場連結子会社を少なくしていくという市場の要請がある中で、完全子会社化が増えているのではないかとの見方を示した。親子上場廃止の背景には、スムーズな意思疎通によって事業環境の急速な変化に対応するという狙いもあるようだ。
▼生成AIのビジネス実装が進むといわれた25年が終わろうとしている。企業のデジタル基盤を支えるSIer各社が体制変更により、新たにどんな価値を提供していくのか。新年も注視したい。(緑)