異文化への窓口
初めてパスポートを取得したのは大学生の時。1カ月間ドイツに短期留学するためで、初めて訪れる異国は何もかもが新鮮だったことを懐かしく思い出す。「日本のパスポートが強い」と言われるのは、ビザなしで渡航できる国の多さに由来するのだろう。先人が築いてきた日本への信頼の証しであり、日本人であるというアイデンティティーを最も感じる身分証明書かもしれない。
記者はその後、切れ目なく更新し続けてきたが、日本人のパスポート取得率はそれほど高くない。外務省の旅券統計によると、2024年の総人口における取得割合は16.8%。コロナ禍で海外から足が遠のいてしまった人もいるかもしれない。
パスポートの表紙デザインは変わらないが、セキュリティーは強化されている。25年3月から偽造・変造対策を大幅に強化し、顔写真ページが紙からプラスチックになった。全国でオンライン申請が可能になるなど利便性も高まっている。外務省は取得手数料を26年7月から値下げする方針で、実現すればお財布にも優しくなる。
海外訪問は、日本の魅力を再発見する機会でもある。円安が悩ましいが、次の旅の計画を練ろうか。
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由来
1878年2月20日、「海外旅券規則」が外務省布達第1号として制定され、「旅券」という言葉が初めて法令上使われた。これを記念し、パスポートの重要性を国民に伝え保管上の注意を促す目的で、外務省が98年に制定。