米国では、新年早々アップルコンピュータが新しいiMacシリーズをリリースし、話題を呼んでいる。思いきって一新した斬新なデザインで、早くも地元シリコンバレーを中心に若者を魅了し始めている。景気が冷え込む昨今だけに、1998年に起こったあのアップルカムバックが再び起こるのではないか、と業界関係者も大きな期待を寄せている。

 初代iMac誕生から早くも4年。2002年1月、アップルコンピュータが大きなニュースを発表した。新iMacシリーズをリリースしたのである。米国のハイテク業界は、昨年から不景気の一途をたどるばかりで、暗いニュースが多かった。それだけに、業界のカリスマとまで呼ばれるスティーブ・ジョブズCEOが次に起こす旋風を待ち望んでいたマックファンも多かった。

 今回の新iMacを見て特筆すべきことは、まずそのデザインだろう。前回のカラフルな箱型モデルからがらりと変わった。真っ白な鏡餅のようなハードの上に15インチのLCDフラットスクリーンが付いている。スクリーンとハードの間にはポールがついており、これをコントロールすることで、スクリーンの位置を高くしたり、低くしたりという調節が簡単にできてしまう。今までのデスクトップコンピュータの概念を打ち破ったデザインを見て、「さすがアップル」とため息を漏らしたエンジニアも多い。新iMacには、3つの商品ラインがある。値段は1299ドル、1499ドルそして1799ドル。2000ドル内という価格設定は、一般家庭や学校でのユーザー層をターゲットにしていることが分かる。また、これらすべての機種にG4プロセッサを導入しているのも、アップルの売り文句になっている。

 G4プロセッサは、シリコンバレーのエンジニアの間でも評価が高い。「かなり強力。スピードは本当に速い」という意見をよく聞く。1799ドルのものになると、このG4の800メガヘルツのプロセッサが入っている。またCDとDVD-ROMが使える、スーパードライブも導入されている。まさにユーザーにマルチメディアを謳歌してもらうためのパソコンというわけである。

 新iMacの誕生と合わせて、アップルは販売戦略も大きく変え、自社製品の直営店での販売を開始した。今までは、大型コンピュータショップなどに販売を任せきりにしていた。今回の販売方法は、既存のチャネルに頼らない新しいやり方である。広々としたショールームのようなショップには、新しいコンピュータを実際に使ってみようという人が続々と押しかけている。

 これら直営店では、iMacの展示販売に加えて、関連ソフトウェアの販売も行い、「マックは買ったが、それに合うソフトウェアを買うのが大変」というこれまでの不満にも答える。

 昨年秋、マイクロソフトがウィンドウズXPをリリースしたものの、あまり売れ行きがよくない。そんな“冷えきった”とまで言われているハイテク業界にこのような元気がニュースが流れたことで、景気を回復する期待の声まで上がり始めた。(飯田仁子)