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テンキーボードの市場動向

2003/07/07 16:51

週刊BCN 2003年07月07日vol.997掲載

計算機機能付が市場を牽引
シェア争いは拮抗

 マウス、キーボードなどの入力装置が前年割れするなか、テンキーボードの人気が高まっている。

 市場規模は小さいが、ここ数か月、台数・金額ともに前年を上回っており、数少ない成長商品となっている。図はテンキーボードの台数・金額ベースの前年同月比推移を表した。

 成長の大きな要因に挙げられるのは、計算機機能を付加した製品の台頭だ。BCNランキングによる6月の月次データの機種別順位では、計算機機能付は10位以内に4製品がランクインしている。従来のテンキーボードのように、数値をパソコンに送信するだけではなく、テンキーボードで計算が可能で、その数値をパソコンに送信することができる。また、ケーブルを本体に収納できるなど、通常の計算機としても手軽に利用できるよう利便性を向上させているモデルが多い。

 価格は3000円程度で、安価な製品であれば通常のテンキーボードとほぼ同様の2000円程度で手に入る機種もある。

 同市場を牽引しているのが、キヤノン販売。同社は昨年12月に市場参入し、4製品すべてに計算機機能を付加している。2月後半の週次データの段階で、台数・金額ともにトップシェアを獲得する勢いをみせた。

 キヤノン販売では、「計算機の開発で培った当社のノウハウや技術をテンキーボードにそのまま生かしている。細かな操作性や機能が求められる製品だけに、優位性が発揮できている」としている。

 しかし、現在はエレコムやロアス、サンワサプライも好調で、各社のシェアの開きはわずか10%の範囲内にとどまり、4社がひしめき合う激戦状態だ。

 パソコン周辺機器の中では脇役的な存在ではあるが、1台2役を兼ねる計算機機能付の台頭が、市場を活性化している。
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